光の方へ
僕は進む、光の方へ。
それが真実への道なのかわからない。
だけど進む、光の方へ。
今の僕にはそれしか手がかりがないから。
どうしても、どうしても、前へ進めない、そんなことがある。
それは、何かがうまくいかないとき、誰かとうまく話せないとき、そしてそれが
どうしてかさえわからないとき。
目の前が真っ暗になって、どこへ向かって進めばいいのかさえわからない。
「助けて!」と叫ぶ相手も見当たらない。
いつもは癒してくれる音楽も耳に入ってこない。
暖かいスープの味もわからない。
そんな時はゆっくり深呼吸をして、そのあとに光を探す。
心を研ぎ澄ませて、進む方向を探していく。
真っ暗な闇の中に、少しでも明るい場所があればそこを目指す。
わずかな光が僕の希望だから。
とにかく、とにかく、何もわからないけど、光の方へと進めば、きっと何かがある。
そう信じて少しずつ、一歩一歩足を前へと進める。
また同じ場所に戻ってきてしまうこともあるけど、そこで立ち止まってしまうこ
ともあるけど…。
だけど僕はふたたび顔をあげる。
なぜなら、歩いている間に知った数々の出来事を思い出せるから。
勇気をふるいたたせてくれたあの人の行動や、とことん泣くために心を豊かにし
てくれたあの歌、決してゆるがないものがあることを教えてくれたあの風景。
今までに起きた様々な出来事が今の僕を支えてくれる。
だから今日も、「一歩前へ」足を踏み出す。