「空気」としての写真

bara

写真を撮るとき、その被写体を説明するため、つまりきれいな風景であったり、歴史のある建造物であったり、かわいい子供の笑顔であったり、意図が明確なものを表現することが一般的だと思う。

写真を撮ることはコミュニケーションだ。

だから、自分が出会ったその場面を友人や家族と共有するために、その「明確な意図」の写真を撮影していくのはごく自然な行為だと思う。

ただ私が写真を撮るとき少しだけ違うことがある。それは、その場所の特性よりも「空気」みたいなものを伝えたくて、それをイメージできる構図を無意識に探していることが多いこと。だから、その場所がどこであっても、基本的にはあまり関係ない。

green

私が感じたその感覚を写真を通して共有できたり、見た人がそこから違う感情へと展開してもらえることが、私にとってのコミュニケーションだ。だから「綺麗な」とか「爽やかな」とかといった修飾語よりも、「心に突き刺さる」とか「強く惹かれる」なんていう言葉のほうが感想としてしっくりきたりする。

hikari

今日載せた写真は、先日の休みに王子方面へ散歩に出かけたときに撮影したもの。はじめは撮るつもりなんて全然なかったんだけど、歩いているうちに気持ちよくなってきて、その楽しい感情の行方を探しているうちにカメラを手にしていたんだと思う。特に大きなテーマがあるわけではないけど、なんとなくその時の「空気」を感じてもらえたら嬉しく思います。